サイバー攻撃事例解説
【Stuxnet】産業用コントローラー(PLC)への世界的サイバー攻撃の実態(2010年)
Stuxnetは、USBメモリから侵入し、PLCのプログラムを書き換え、遠心分離機を物理的に破壊した、初の産業制御システム攻撃です。

2010年に発覚したStuxnetは、イランの核施設を標的に、世界で初めて物理的破壊をもたらした高度なOTサイバー攻撃です。 USBメモリ経由で隔離環境のエンジニアリングPCに侵入し、PLCの制御プログラムを密かに改ざん。遠心分離機の回転数を制御不能に陥らせ、大規模な設備破壊を引き起こしました。 特定の産業システムを狙い撃ち、サプライチェーンを悪用した組織的な攻撃の脅威を世界に知らしめた事例です。
【BlackEnergy 3】電力インフラを狙ったマルウェアとSCADAへの遠隔操作の実態 (2015年)
BlackEnergyがOTへ侵入。 SCADAの遠隔操作でPLCを操り、停電と復旧妨害を同時に引き起こしました。

2015年のウクライナ電力施設への攻撃では、高度なマルウェア「BlackEnergy 3」が保守用VPN経由でOTネットワークへ侵入しました。 攻撃者はSCADAシステムを遠隔操作し、PLCへの不正な指令によって物理的な停電を強行。さらに、通信機器のファームウェア書き換えやデータ消去を並行して行い、復旧を執拗に妨害しました。 重要インフラを標的とした、多段階かつ破壊的なサイバー攻撃の典型例です。
【DarkSide】重要インフラを標的としたランサムウェア攻撃による燃料供給停止の実態 (2021年)
IT網経由のランサムウェア攻撃により石油供給が5日間停止。 5億円の身代金支払いと深刻な社会影響を招きました。

米国東海岸の燃料輸送の約45%を担う主要パイプラインが、ランサムウェア「DarkSide」の攻撃により停止しました。 ITシステムへの侵害でしたが、OT(制御技術)環境の安全確保を優先するためにパイプライン全体のシャットダウンを余儀なくされた事例です。 5日間の操業停止により社会的な混乱を招き、企業は約5億円の身代金支払いに追い込まれました。ITとOTのネットワーク境界における防御と、迅速な意思決定の重要性を突きつけています。
名古屋港港湾ターミナルシステムを襲ったランサムウェア攻撃の脅威(2023年)
VPN機器の脆弱性から侵入され、港湾管理システムが暗号化。 物流インフラが3日間麻痺した深刻な事例です。

日本最大の貨物取扱量を誇る名古屋港において、コンテナターミナルの管理システム(NUTS)がランサムウェア攻撃を受け、約3日間にわたり荷役作業が全面的に停止しました。 侵入経路はリモート接続用機器の脆弱性を悪用した外部からの攻撃とみられています。 基幹システムのデータが暗号化されたことで、トラックのゲート通行やクレーンの操作指示が不能となり、日本の輸出入サプライチェーンに甚大な影響を及ぼしました。
自動車製造ラインを標的としたランサムウェア攻撃による生産システム全停止の実態 (2025年)
ランサムウェアにより世界中の生産ラインが1か月停止。 1日約10億円の損失と経営へ壊滅的な影響を与えた。

イギリスの自動車大手、ジャガーランドローバーの生産システムがランサムウェア攻撃を受け、全世界の操業が約1か月間にわたり停止しました。 本事例では、ITシステムへの侵入からOT(制御技術)ネットワーク内の生産管理システムへ侵害が拡大し、工場全体のシャットダウンを余儀なくされました。 1日あたり最大10億円と推定される巨額の損失に加え、サプライチェーンの寸断が経営に与えた影響は深刻でした。
もっと知りたいですか?

代表取締役社長の「村上 正志」が質問にお答えします。
村上 正志のプロフィール