サイバー攻撃事例解説
【IOCONTROL】新型I/O制御不正操作ツールによる制御ロジック乗っ取りの実態 (2024年)
上位システムを介さずPLCのI/Oを直接操作し、HMIには「正常」と偽りつつ現場機器を暴走させる新型攻撃です。

2024年に発見された「IOCONTROL」は、産業用コントローラー(PLC)の最も根幹であるI/O(入出力)を直接、不正に制御する新型の攻撃ツールです。 上位のHMIやサーバーを介さず、エンジニアリングプロトコルを悪用してPLC内のI/Oテーブルを直接書き換えます。 これにより、オペレーターはHMI上で「正常」と認識しつつ、現場の機器が物理的に暴走、あるいは停止するという、極めて深刻な被害を引き起こしました。 侵入経路は主に、保守用ネットワークを経由したサプライチェーン内のエンジニアリング端末です。
【PLC Blaster】PLC間で自己増殖するワーム型マルウェアの実態 (2016年)
PCを介さずPLC間で直接自己増殖し、制御プログラムを書き換えて感染を拡大するワーム型攻撃の脅威です。

2016年に発表された「PLC Blaster」は、エンジニアリングPCなどのWindows端末を介さず、産業用コントローラー(PLC)自体が他のPLCへ直接感染を広げる初のワーム型マルウェアです。 標準的な制御通信プロトコルを悪用し、同一ネットワーク内の他のPLCを自動探索して不正なプログラムを直接書き込みます。 PC向けのセキュリティ対策をすり抜け、OTネットワーク内部で自己増殖する新たな水平移動(ラテラルムーブメント)の脅威を証明しました。
【Sharp7Extend】NuGetサプライチェーン攻撃によるSiemens S7 PLC通信妨害の実態 (2024年)
偽装ライブラリ経由でHMI等に侵入し、PLCへの書き込み失敗やクラッシュを誘発するサプライチェーン攻撃です。

2024年に確認された「Sharp7Extend」は、正規のS7通信ライブラリに偽装した悪意あるパッケージを公式リポジトリに混入させる、ソフトウェアサプライチェーン攻撃です。 このライブラリを組み込んで開発されたHMIやエンジニアリングツールは、ランダムな確率でシステムがクラッシュしたり、PLCへの書き込みがサイレントに失敗したりします。 実行を数十分から数年遅延させる機能を備えており、サイバー攻撃ではなく単なる「ランダムなバグやハードウェアの故障」と運用者に誤認させる極めてステルス性の高い妨害工作です。
【Havex / Oldrea】ICSサプライチェーンを汚染したスパイウェアによる資産情報隠密窃取の実態 (2014年)
正規アップデートを介しエンジニアPCへ侵入し、OPC通信でPLC等の構成情報を隠密に窃取します。

2014年に発覚したマルウェア「Havex(Oldrea)」は、ICSベンダーの正規アップデートファイルを汚染するサプライチェーン攻撃により、現場のエンジニアリングPCへ侵入しました。 制御網内でOPC通信等の汎用プロトコルを悪用して自動スキャンを行い、接続されたPLCなどの構成や資産情報を広範囲に収集します。 収集された情報はC&Cサーバーへ自動送信され、将来の破壊攻撃に向けたインフラの密偵に利用されました。
【IRONGATE】Siemensシミュレーター環境を狙ったDLL置換による中間者攻撃マルウェアの実態 (2015年)
DLL置換による中間者攻撃でHMIに正常データをループ再生し、裏でのプロセス不正操作を隠蔽します。

2015年に発見された「IRONGATE」は、Stuxnetの攻撃概念を継承し、SCADAとPLC間の通信を乗っ取る中間者攻撃(MitM)を実行するマルウェアです。 標的環境に侵入後、特定のSiemens製PLCシミュレーター用DLLファイルを悪意あるファイルへ置換します。 この不正DLLが正常時の通信データを記録してHMIへループ再生し、オペレーターへ正常稼働と誤認させる一方で、PLC側へは密かにプロセス改ざん用のコマンドを送り込みます。
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代表取締役社長の「村上 正志」が質問にお答えします。
村上 正志のプロフィール