サイバー攻撃事例解説
【IRONGATE】Siemensシミュレーター環境を狙ったDLL置換による中間者攻撃マルウェアの実態 (2015年)
DLL置換による中間者攻撃でHMIに正常データをループ再生し、裏でのプロセス不正操作を隠蔽します。

2015年に発見された「IRONGATE」は、Stuxnetの攻撃概念を継承し、SCADAとPLC間の通信を乗っ取る中間者攻撃(MitM)を実行するマルウェアです。 標的環境に侵入後、特定のSiemens製PLCシミュレーター用DLLファイルを悪意あるファイルへ置換します。 この不正DLLが正常時の通信データを記録してHMIへループ再生し、オペレーターへ正常稼働と誤認させる一方で、PLC側へは密かにプロセス改ざん用のコマンドを送り込みます。
【FrostyGoop】Modbus通信悪用による熱供給インフラ狙いのマルウェアの実態 (2024年)
ルーター経由で制御網へ侵入し、汎用Modbus TCP通信を悪用して熱供給コントローラーを不正操作します。

2024年1月に発覚したマルウェア「FrostyGoop」は、ウクライナの熱供給インフラを標的にし、600棟以上の集合住宅の暖房を完全に停止させました。 攻撃者はルーターの脆弱性などを突いて内部網へ侵入後、業界標準の汎用プロトコル「Modbus TCP」を直接悪用。 コントローラーに対して不正な制御コマンドを送信し、システムの誤動作を誘発しました。 固有の脆弱性に頼らず、標準通信そのものを悪用して物理的影響を与える点が技術的急所です。
【AcidPour】Linux・重要インフラ機器のデータ破壊を狙うワイパーの実態 (2024年)
Linuxやネットワーク機器へ侵入し、RAWディスクを直接上書き消去してシステムを復旧不能にします。

2024年に確認されたマルウェア「AcidPour」は、Linuxシステムや重要インフラのネットワーク機器・ストレージを標的とした極めて破壊的なワイパーです。 攻撃者はルーター等の脆弱性を経由して侵入し、異なるアーキテクチャのシステム内でRAWディスクや論理ボリュームを直接上書き・消去します。 ファームウェアや重要データを物理的なアクセスなしに復旧不能へと追い込み、OT網の機能を完全に麻痺させる点が技術的脅威です。
【Fuxnet】フラッシュメモリを物理破壊するOTワイパーの実態 (2024年)
SSH経由でゲートウェイへ侵入し、フラッシュメモリを執拗に書き換えて機器を物理的に破壊します。

2024年に発覚した「Fuxnet」は、重要インフラの監視網を狙った極めて破壊的なLinuxベースのOTワイパーです。 攻撃者は管理者認証情報を悪用し、外部からSSH経由でセンサーゲートウェイへ侵入しました。 内部でリモートアクセス機能とルーティングテーブルを消去して通信を遮断した上で、NANDフラッシュメモリへの執拗な書き換え操作(ビット反転)を追従。 メモリチップ自体を物理的に摩耗・破壊し、遠隔からのファームウェア復旧を完全に不可能にしました。
【COSMICENERGY】IEC 104通信を悪用し電力を遠隔遮断するマルウェアの実態 (2021年)
MSSQL経由で侵入し、IEC 104通信を悪用して回路ブレーカーを強制操作し停電を誘発します。

2021年に確認されたマルウェア「COSMICENERGY」は、電力グリッドの自動化機器を標的とし、遠隔から停電を引き起こす能力を持っています。 攻撃者は社内ネットワークのMSSQLサーバーの不備を突いて侵入し、そこから制御網へアクセス。国際標準の電力通信プロトコル「IEC 60870-5-104」を直接悪用してスイッチや回路ブレーカーへ強制的な操作コマンドを送信します。 固有の脆弱性に依存せず、正規の通信仕様を逆手に取る点が技術的急所です。
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代表取締役社長の「村上 正志」が質問にお答えします。
村上 正志のプロフィール